田下国際特許事務所からこどもたちへ
私たちは、豊かな未来の社会のために仕事をしている。
豊かな未来を担うのは、こどもたち。
だから、こどもたちに向けて、こんなことを伝えたい・・・・
特許ってなんだろう? 特に、国際特許とはなにか 弁理士になるためには?
特許ってなんだろう?
 
世の中にはクルマとかコンピュータ、携帯電話など、便利な製品がたくさんあるよね。それらの製品には新しい技術や発明が、いっぱい含まれている。会社も、そのためにお金をかける。その結果、新しい技術とかアイデアなんかが生まれる。お金をかけ、一所懸命に考えてできたものを、勝手にコピーされてはいけないよね。そういうことが起こらないように「特許」という制度があるんだ。

特許というのは、「発明をした人に対して、その技術を公開してもらい、その代償として一定の期間、一定の条件のもとで、その技術に対しての独占権を与える」という制度だ。こうすることで、発明が活発になり、産業も発展し、社会が豊かになる。一定の期間、法律によって守られ、製造・販売を独占できるので、会社にとっても大きな権利となるというわけだ。でも、特許の審査は長い期間がかかり、とてもきびしく行なわれるんだ。
 
では、国際特許ってなに?
  日本の特許をとっているからといって、外国でも通用するわけではないんだ。世界で通用する統一された特許というものがないからなんだな。だから、外国でも特許をとりたい場合は、その国ごとに特許を出願(しゅつがん)しなければならない。でも、ちょっと考えただけでもめんどうくさいね。そこで少しでも手続きをラクにしようということで、「特許協力条約(PCT)」ができたんだ。

「ウチの特許をA国、B国、C国でもとりたい」とPCTに出願すれば、一つひとつの国に出願しなくても済むんだ。ただし、特許をとりたい国がPCTに加盟している必要があるけれどね。特許を出願する仕事はとてもむずかしくて、専門に勉強して資格をもった人が行なう。そういう専門家を「弁理士(べんりし)」って言うんだ。
 
弁理士になるのはたいへんなの?
  ちょっとむずかしいかもしれないけれど、弁理士というのは「工業所有権について特許庁への出願を代行する専門職」のこと。工業所有権というのは、特許、実用新案、意匠(いしょう:わかりやすく言えばデザインのこと)や商標といった権利のことで、キミたちが見たり手に取ったりしているモノにはすべて発明した人に工業所有権があるんだ。「じゃあ発明した人が特許を出願すればいいんじゃないの?」と思うよね。

でも、特許庁へ出願する書類をつくるのが実はとてもたいへんなんだ。逆にカンタンにできるようなものだったら、誰でもつくれてしまう。だから、専門知識や経験豊かな弁理士が発明した人に代わって仕事を引き受けるんだよ。

弁理士になるには国家試験を受けて合格しなければならない。キミたちが受験勉強をするように、技術系の大学を卒業し、エンジニアとして開発の仕事を経験した人たちが、毎日何時間も勉強して受験するんだ。10000人受験しても500人くらいしか合格できない難関なんだよ。でも合格し、晴れて弁理士となれば、高い収入が期待できる仕事なんだ。キミも弁理士をめざして挑戦してみないか?